春 

2/3
前へ
/97ページ
次へ
「一年間ありがとうね、マタキ。」 文系に進む友達に、そういわれて、ハッと胸を付かれる思いがしたのは、それなりに楽しかったからだろうなぁ。 「もー、やめてそういうの。紗夏らしくないし」 そんなふうなやりとりを終えて、私は発表されたクラスにいった。今日は、始業式。 私は理系に進んだ。 高一を振り返ってみると、勉強も生活もハンパだった気がする。成績も並、…恋愛は、興味ナシ。 何一つ、青春らしいことをしなかったかのように思えてならない。 クラスの座席表をみると、1番前だった。しかも教卓のすぐ真ん前。 担任がきた。いつも白衣をきてる、数学教師だった。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加