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紫音「私がここに来てもうすぐ15年かぁ。」
机の前に座りアルバムを見ながら、綺麗なストレートロングの髪を指でクルクルと撫でながら1ページ1ページめくっていく。
紫音「あっこれは…あぁんやっぱり可愛いわね茜ちゃんは。」
コンコン
紫音「はい。」
翠「姉さん、ちょっといいかな?」
紫音「翠ちゃん?入っていいわよ。」
ガチャ
茜「姉さんにちょっと聞きたいことが…って、あぁ!」
紫音「どうしたの入って来るなり大きな声出して。」
翠「やはり姉さんでしたか。」
紫音「何のこと?」
翠は立ったまま私を見て軽く震えていた。
翠「姉さん、今貴女が見ている物は何ですか?」
紫音「う~ん、アルバム?」
翠「誰のですか?」
紫音「これは……あっ翠ちゃんも一緒に見る?」
翠「誤魔化さない。」
紫音「翠ちゃん、ひょっとして怒ってる?」
翠「はい!」
紫音「ごめんなさい。」
翠「一言いってくれれば……あの、姉さん何を食べて…。」
紫音「あっこれ?冷蔵庫にあったの。それでついね。」
翠「ついねっ、じゃありません。私が楽しみにしていた物を勝手に……姉さんなんかもう知りません。」
バタン
紫音「これ、翠ちゃんのだったんだ。」
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