橘和美の夢

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横切るように高速に。雀だろうか。0.5という視力でもとくしゅなせんさは働いた。 …………。鳥。妄想するに可愛い。  心の中で和美は咳払い。可愛い、と言えば、最近自分のパソコンが重くなったような気がする。無視をしているが変な広告も多いし。和美はHDDに埋蔵されているアニマルパラダイスを思い浮かべた。 ――――――  パソコンが重くなった気がする、というのは序章に過ぎなかった。  新学期が始まり2週間。和美は既にクラスメイトを全員記憶していた。情報処理に秀でた遠藤真帆以外に特徴的な人間を上げると、まず遠藤長太郎がいる。遠藤真帆とのつながりはない。 彼は体格が良く実技の成績がトップだ。和美は以前から彼の存在は知っていたが、ちゃんとに見ると運動能力が高い、とわかる。ヒーローごっこ(彼の子供みたいな趣味で既に有名)をしているせいか、動きがオーバーだが、真面目にやれば身体の使い方はかなり良いだろう。そう和美は評価していた。話によると英語以外の座学も優秀であると。  もう1人上げるとすれば、眞柴想一だ。運動能力は決して高くはないが訓練における立ち回りを中学生とは思えない程よく知っている。昨年度も同じクラスだったから和美は見ていた。ただ、時々可笑しな行動もすることがあるのも。
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