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振り返った先には男の人が立っていた。
身長は170㎝位のすらっとした精悍な顔に少し幼さが残る男の人だ。
男「死ぬんか?」
私は呆気に取られて言葉も出なかった…
男「聞いてんのに無視するん?」
一歩ずつ近寄ってくる。
男「まぁええわ。死ぬんなら手本見せちゃるわ。」
そう言って、橋の欄干に乗った。
私「えっ!?ちょ、ちょっと!」
男は欄干の上で着ていた上着を脱ぎ、私の方に投げた。
男「ワシが飛び込んだ証拠じゃ。遺書代わりに親に渡してくれや。」
私「ちょっと待ってよ!?」
男は白いタンクトップに黒いジーンズ姿。
それが何故か神々しく見えた。
男「じゃあな。」
そう言うと何の躊躇も無くそのまま橋から飛び降りた。
私は橋の欄干に手をかけて、下を覗き込むが、その姿は漆黒の闇に吸い込まれ、途中からその姿は見えなくなり、落ちた音すら聞こえない。
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