能美島へ―

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アナウンス『本日のご乗船誠にありがとうございます。船は間もなく、中町港に到着します。またのご乗船お待ちしております。』 ?「―またのご乗船か…」 死ぬ為にこの島に来た私にとって、その言葉は、何だか笑いが出そうになる言葉だった。 船が桟橋に着き、私は船を降りた。 桟橋には日避けも無く、暑い陽射しが容赦無く降り注ぐ。 季節は夏真っ盛りの8月1日。 まぁ、いまさら日焼けがどうの言う事もない。 私は、陽射しを浴びながら、陸を目指す。 生臭い潮の香りは、都会に住む私には不快でしか無かった。 ?「夏子~ぉ!こっちだ!こっち!」 田舎者丸出しのこの人は私のおじいちゃんだ。 おじいちゃん「大きゅうなったのぉ、夏子!えらいベッピンさんになってから!」 私「お久しぶり。おじいちゃん。元気そうで良かった。」 おじいちゃん「早よ、車に乗りんさい。荷物はワシが入れちゃろ!」   と、軽トラの荷台に荷物を置いた。   私「ありがとう。おじいちゃん。」
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