夢じゃない…

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猛「あぁ、ありがとう。」 そう言って、無造作に右手で上着を掴み、そのまま歩いて行く。 何?あの態度… せっかく持って来たのに、その無愛想な態度に少し腹が立った。 だが、彼の後を追っていた。 彼は自分の荷物を置いてるとこを目指して歩いてるのだと分かった。 荷物のところに着き、上着とサザエを放り投げた。 そして、今度は突然、木々を拾い集め海の近くに集め、それを挟む様に石を置いた。 荷物からライターを出し、木に火をつけた。 そして、荷物からビニール袋に入っている網を出し、焚火の上に置いた。 石は、どうやら網を乗せる為に置いた様だ。 私はその都会では考えられぬ光景、そして、その段取りの良さをただ眺めていた。 猛「食う?」 いきなり言われた。 私「何?」 猛「だから、サザエ食う?」 私「あっ…はい…」
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