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私が泣き止むまで、彼はただ立っていた…
私「ごめん…」
猛「いや、いい。」
東京の男なら、ここで抱きしめる位するだろうに、ただ何をする事もせず付き合ってくれた…
もう夕暮れが迫る時間になっていた。
私「何も聞かないのね…」
猛「誰にも聞かれとうない事位ある。」
そう言って背を向けた。
猛「ちょっと付き合えよ。」
そう言うと、彼は荷物をまとめバイクに跨がった。
猛「行くぞ。」
慌て私は車に乗り込んだ。
私が乗るのを確認してから、バイクは走り出した。
後を追いかける。
時折、彼は私が来るのを確認するように後ろを見た。
そして、おじいちゃん家の近くに来た。
そこで、バイクは止まった。
私も車を止めて降りる。
猛「見ろ。」
街灯に何か虫が飛んでいる。
何匹も…
猛「ウスバカゲロウだ。」
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