ウスバカゲロウ

4/5
前へ
/309ページ
次へ
私は何も言わずに家を飛び出した。 私は車に乗り込み、また早瀬大橋まで行き、昨日と同じ様に車を止めた。 もう他に道はない… 私は昨日と同じ様に歩いて行く。 しかし、昨日と同じじゃない事があった。 橋の真ん中に彼が待っていた。 猛「来る思うとった。」 私「何でいるの?」 猛「様子が変じゃったけん。」 私「ほっといてよ!」 猛「昨日のあんたと同じ思いをワシにさせたいんじゃったら、飛び降りんさい。」 昨日の私… 猛「今日、わざわざワシに会いに…いや、上着を届けに来た。心配じゃったんじゃろ、目の前で人が落ちて。」 確かに、恐くて、生きてたの知ってホッとした… 猛「あんたは、優しい人じゃ。それに強い人じゃ。じゃけん、ワシはあんたにウスバカゲロウを見せたんよ。」 何言ってるの? たった一日で… 私「たった一日で、私の何が分かるって言うの!?」
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2382人が本棚に入れています
本棚に追加