ウスバカゲロウ

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猛「たった一日じゃけん色眼鏡で見とらん、ワシが思う正直なあんたじゃ。」 私は言葉が見当たらなかった。 猛「明日、朝9時に今日ウスバカゲロウ見たとこにきんさい。」 私「今から死ぬのに、何で行けるのよ!?」 猛「あんたは来るよ。今約束したけん。約束破れるような人じゃないけん。ほんじゃ!そういう事で。待っとるけん。」 そう言うと、私が来た方向とは違う方向へ彼は歩いて行った。 私「約束なんかしてないから!」 そう叫んだが、彼は振り向きもせずに右手を上げて振っただけだった。 私「行くもんかーっ!!」 もう、彼の姿は小さくなっていた。 私「行くもんか…」 一人取り残され、橋の欄干にもたれた。 大声を出したら、何だかさっきまでの死のうと思う気持ちは薄れていた。
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