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昨年の初冬に体験した話を投下します。
わりと長文。
その日は林業関係の取材で「低コスト・高効率作業システム」という 題目の研修会に同行した。
内容は、まず導入を進める作業機械の説明などを公民館でおこない、その後に実際の作業風景を見学するというものだ。
林業関係者なら分かると思うが、グラップルとかフォワーダといった 造材や間伐で活躍する機械だ。
研修会には、地元の林業関係者ら約40人が参加。
公民館での説明は何事もなく終了し、作業見学の場所へ移動した。
見学場所は、割と道幅のある新道と狭く曲がりくねった旧道に挟まれる形で存在している山の雑木林。
新道からも行けるのだが、目的地に行く林道が狭く悪路な上、距離が長いということで旧道の方から入る林道を使うことになっていた。
取材の方はつつがなく終了した。
途中から雪がちらついてきたが作業には全く問題なし。
取材が終わった俺は、次の予定もあったので見学会の途中で辞去して戻ることにした。
今にして思えば、なぜ来た道を単に戻らなかったのか。
俺は「帰りは逆側から出よう」と思い、来た方向とは反対側の新道との合流地点に向かった。
1台の車も通らない道を、ゆっくりと走った。
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