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担任に言うか、言うまいか。
悩みながらその場を離れようとした。どうせあの担任に言ったって、なんの解決もしないことくらいはわかってる。だったら、このまま保健室にでも行くか。
「椅子、どうしたの?」
聞き覚えのない声だった。
椅子どうしたの?の前に何か声をかけられた気もするけど、覚えてない。
振り向いた場所にいたのは、見覚えのない顔の女子。同じクラスじゃないはずだ、多分。
「その椅子」
「……ああ、私のみたい。でもあなたには関係ないでしょ。ほうっておいて」
「でも…」
「ほうっておいて」
もうどうでもいい。
そんな思いばかりで、私は椅子もその子も放置して担任を探しに行っていた。
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