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「おっはよー」
私の背後から明るい声がした。
どこかで聞いた声だ。
姿を見て思い出した。運動会の時、声をかけてきた子だ。
「もう具合いいの?」
「こんな時期に風邪なんてついてないよね」
ああ、だから姿を見なかったのか。違う。私はクラスに溶け込もうとしなかったからか。
「この子、誰?転入生?」
「やっだ、なっちゃん!うちに転入生なんていないよ~。…幽霊じゃない?
やーだ、こっわーい」
げらげら、けらけら笑う声が耳に残る。
教室から逃げるように飛び出して、私はぶつかりそうになった担任を睨み付けて学校から家に戻った。
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