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【第二章…遅過ぎた初恋】
〓古い奴だと思いでしょうが…古い奴程新しいものを欲しがるものでご座居ます…何処に新しいものがご座居ましょう…生まれた土地は荒れ放題、今の世の中真っ暗闇じゃ、ご座んせんか…何から何まで、真っ暗闇よ、筋の通らぬ事ばかり、右を向いても、左を見ても馬鹿とあほうの絡み合い、何処に男の夢がある、ってか…と屋台の中に入って来た…浅さんは…
「いらっしゃい…」
大きな声を出した…常連客と挨拶を交わした…
「何だよ太…来てたのかい…」
「ええ、今日は、早く来てたんですよ…」
「又、酔っぱらってるのか…」
「それ程飲んじゃぁ居りませんよ…オヤジが来たから、これからですよ、なあ浅やん…」
「そうですよ、その中来るぞって、二人で言ってたんですよ…」
「そうか…太みたいに酒は飲まねえから…そんなに早く来てもな…とひとつ風呂浴びて来たんだ…」
すると太は、〓貴方が噛んだ小指が痛い、昨日の夜も小指が痛いってか…
「オヤジ最近は…」
と言って、小指を立てた…
「最近めっきり、女の方は、駄目に成ったな…」
「本当かな…」
と浅やんの方に振った…
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