屋台のピンキリ話…第一弾

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何と無く心が、浮いてる気がする、列車は上野を通過した、そうだ夕べ電話をした時に、午後2時頃、着く予定に出るから、それから新幹線に乗ったら連絡すると言ってあった、携帯のボタンを押す、発信音がかるやかに、耳に飛び込んで来る、5、6度鳴ると、留守電に変わった、何だこんな時に、と思いながら 「今新幹線に乗った」 と留守電に入れた、もうすぐ大宮だ、今日の天気は、それ程良くもねえけど、悪くもねえ、一人は暇で困る、座席裏ボックスに、立て掛けてある、トレインマップを引き出した、何時もと変わりばえしねえ、商品の写真が載っていた、座席前の小テーブルの上に載せてある携帯が鳴った、何時もの歯切れの良い、綺麗な声が返って来た 「ごめんなさい、電話取れなくて」 「ああ、良いんだよ、昨日新幹線に乗ったら電話するって言ってたからさ」 「解りました、駅まで迎えに行きますから」 「そうかありがとう、じゃ頼むな」 「ハイ待ってます」 と電話が切れたのか切ったのか、この辺は電波の方も悪い、すると又すぐにベルが鳴った 「裕子ですごめんなさい、電話切れちゃって」
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