第一章 本当は便乗してニョタ化させようとして止めました。

7/27
前へ
/411ページ
次へ
キルはそんなアルの様子を見て、静かに口を開く。 「ユリアは男だぞ「知ってるっつーの」 何で二人して同じ事を…とアルがブツブツ言っていると、キルがコップの水を飲み干した。 アルはそれを横目に見て、小さな声で呟く。 「これで…いいんだよな…」 「何だ?」 キルがアルに問いかけ、アルは笑って何でもないと答える。 するとキルがゆっくりと立ち上がった。 「少し回復した。水ありがとうな。ユリア、アル」 「うん」 「あぁ」 キルは二人に笑みを向け、ゼルに頭を下げると、歩いて行った。 その背を見送り、アルはポケットの小瓶にそっと触れた。 ――――― 「で?どういうことだい?」 「返します」 アルはクロムに液体が入ったままの瓶を突き返していた。 「確かにキルについてはムカつく事も多いっスけど…。でも、仕返しするにせよ、誰かに頼るんじゃなくて自分でやりたいんスよ」
/411ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加