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キルはそんなアルの様子を見て、静かに口を開く。
「ユリアは男だぞ「知ってるっつーの」
何で二人して同じ事を…とアルがブツブツ言っていると、キルがコップの水を飲み干した。
アルはそれを横目に見て、小さな声で呟く。
「これで…いいんだよな…」
「何だ?」
キルがアルに問いかけ、アルは笑って何でもないと答える。
するとキルがゆっくりと立ち上がった。
「少し回復した。水ありがとうな。ユリア、アル」
「うん」
「あぁ」
キルは二人に笑みを向け、ゼルに頭を下げると、歩いて行った。
その背を見送り、アルはポケットの小瓶にそっと触れた。
―――――
「で?どういうことだい?」
「返します」
アルはクロムに液体が入ったままの瓶を突き返していた。
「確かにキルについてはムカつく事も多いっスけど…。でも、仕返しするにせよ、誰かに頼るんじゃなくて自分でやりたいんスよ」
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