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クロム大佐は無表情に「ほう…」と答えた。
「それに…アイツは確かにムカつくし、過保護で天然タラシだけど…理不尽に人を責めたりしねぇし、俺にキレたのもガオを思っての事だし、何より…」
アルは真っ直ぐクロム大佐を見た。
「俺はアイツの事ダチだと思ってるから」
その言葉を聞き、クロム大佐はクスリと笑った。
「何やら甘酸っぱいな」
「は!?」
「青春を青い春とはよく言ったものだな」
クロムにそう言われ、アルは途端に何やら恥ずかしくなった。カァァと赤くするアルを見てクロムはまた少し笑う。
小瓶を受け取ったクロムはポケットにそれをしまい、アルに背を向けた。
「断られたからと言って君に何かをするつもりはない。安心したまえ」
「え、あ、はい…」
クロム大佐はコツコツと靴の音を鳴らし、白衣を揺らしながら去って行った。
「…あの人だけは、ホント良くわかんねぇよなぁ…」
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