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そう結論づけた時、不意に横を誰かが走って行った。
「ユリアちゃん?」
「え?」
振り返ったのは男の娘のユリアだった。手にはお盆のを持ち、お盆の上には二個のコップがある。
「誰かに飲み物持って行くの?」
「あ、はい。キルくんがゼルさんと手合わせして二人とも動けなくなっちゃったらしくて…」
アルは心の中でチャンス!と拳を握った。
「折角だしキルの分は俺が持って行くよ。貸して」
アルはお盆の上からコップを一つ取る。
「あ、大丈夫ですよ」
「いいからいいから」
ニコリと人好きのする笑みを浮かべるアル。
ユリアはそんなアルを見た後、暫く沈黙し、口を開く。
「僕、男ですよ?」
「知ってるから大丈夫」
アルはそう言って苦笑した。
だが、ユリアは女の子と同じくらい可愛い。何故女の子に生まれなかったのか疑問だ。ちなみにアリスも。
「にしてもあいつ(キル)も馬鹿だね~。動けなくなるまでやりあうなんて」
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