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「キル君はいくら怒っても、自分より他人を優先してしまう人なんです。だから…僕らがしっかり見ててあげないと…」
アルはキルについて語るユリアを見て…
何か…恋人みたいだな…
などと思ってしまった。
「ユリアちゃんにとってキルは大事?」
その問いにユリアは少しキョトンとした顔をしたが、すぐに
「はい」
と笑った。
その笑顔を見てアルの良心がチクリと痛んだ。
俺…この笑顔を裏切ろうとしてんだよなぁ…
それからアルとユリアは外に出て、大の字で倒れている二人を見つけた。
「キル君、ゼルさん。水持って来ましたよー」
ユリアが声をかけると二人は荒い息を繰り返しながら身を起こした。
「悪ぃな、ユー君。ん?何でアルがいんだ?」
アルに気付いたゼルが問いかける。
「偶然出会ってお手伝い。ほい、これキルの」
アルはキルに、ユリアはゼルに水を手渡した。
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