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俊は少し苛立ちの声色で呟いた後に、携帯を操作する。
さっきの着信音の短さからいって、メールであるだろうことは推測できた。
ということは俊は今メールボックスを開いて文面を確認しているのだろう。
俊は暫く無言で携帯の画面を見て、それからすぐに舌打ちをして携帯を乱暴にポケットの中に押し込んだ。
「ど、どうしたんだよ俊?」
「いや…ちょっと、用事ができちまったんだ。」
俊はそういい、俺から離れる。
「じゃあ、ちょっくら用事済ましてくるわ!また明日な、栞!」
「お、おう!また明日な!」
俊は俺の返答にニコリと笑って、それからすぐに走って教室を出ていってしまった。
「用ってなんだろ…?」
俺は1人でポツンと教室に残されたまま、そう呟いた。
窓から外を見れば、そこは学生の姿で一杯一杯になっている。
そして、校内の静寂。
どうやら、学校に残っている生徒は俺しかいないようだ。
「…俺も早く寮にいくか…。」
このまま学校にいてもすることもないので、俺は荷物整理や部屋作りをするために、学生寮に向けて歩き出す。
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