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今日は私立爽妖高校の入学式である。
新入生のクラスを受け持つ教師達は朝早くから生徒名簿を開いて生徒の名前や種族、さらにはどんな身分かさえ覚えようと必死になっていた。
そんな中で1人煙草をふかしながら呑気に新聞を読んでいる教師がいた。
「赤城先生は、もう生徒達の事、覚えたんですか?」隣の眼鏡を掛けた若い教師が言った。
赤城と呼ばれたボサボサの黒い髪の男は、あん?といい煙草を灰皿に置いた。
「生徒の名前なんざ自然とおぼえるっての、身分だって知るだけ無駄だ。俺は差別みたいなことはしないたちでね。」
それを聞いた若い教師はハハハと愛想笑いをした。
「ですが、どんな種族の子が来るかは確認しておいた方がいいですよ。僕のクラスには巨人族の生徒がいましたから。」
「…教師生活10年もやってりゃ多少の事でも驚きゃしねえよ。」
若い教師は、「あれ、このヘビースモーカー。ただ仕事サボりたいだけじゃね?ちゃんとやろうぜ、先輩。」的な視線を送っていたが、一向に仕事をしない彼に呆れ、ため息を1つついてから再び生徒の名前覚えを再開した。
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