第1章:少年

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「本日はお日柄も良く…。」という校長のお決まりのスピーチを聞くのは何回目だろ~っ?あ、3回目か~っと眠気眼で聞いているのは赤い髪の毛(襟足だけはオレンジ色)の活発そうな顔立ちの少年、駿河 俊(するが しゅん)だ。 「しっかし…暇な時間だな…こんなスピーチ聞いて、どうすればいいわけ?」と、独り言を言っていた所に煙草をくわえた1人の男が、「暇そうだな…え…っと…つるが。」 と、いきなり名前を間違えられ「…つるがじゃなくて駿河っす。」と不服そうに返答する俊。 教師の方はアレ?と首をかしげて名簿を見直す。 確か、この煙草をすっているのはウチのクラスの担任、赤城 秀人(あかぎ ひでひと)ではなかったか。 入学式の最中なのにブラブラしている所を見るに、この男も暇なのだろうと勝手に解釈する俊。
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