第2章:新入生歓迎会

53/58
前へ
/371ページ
次へ
「まあ、純粋な血を持っていなくてもしっかりと現段階で存在している吸血鬼の5人いる内の1人としてカウントされてるんだけどな。」 赤城はポケットからヨレヨレのタバコケースを取り出し、その中の内新しく1本を口にくわえ安物のライターで火をつける。 「しっかり見とけよ、お前ら。」 彼は口から灰色の煙をはきながら静かに続ける。 「今の神崎の魔力の出力を見ると、ざっと3割程度しか出してないみたいだが…。」 「それでも圧倒的な試合だと思うぞ。」 言うなり彼は煙草をくわえたままニヤリと不敵な笑みを浮かべた。 桜庭と篠川はゴクリと息をのみ、それから赤城がソコまで称賛する青白い炎を纏った鬼の少年を見る。 そこには最悪のカミングアウトをうけて、恐怖に表情を染めている自称優等生の佐藤と、最悪のカミングアウトをした無表情の神崎の姿があった。
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

739人が本棚に入れています
本棚に追加