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しかし、俺はそこから逃げることはしない。
それとは逆に、俺は真っ向からそれに立ち向かう。
俺は右掌を地面にかざし、そして鬼だけが使える術式…鬼炎術式を行使する。
「鬼炎術式:スギア!」
直後に俺の右手首にある青白い炎のリングが形を変える。
それは形を生き物のように素早く変化し、直後にリング状の形をしていたそれは俺の体を覆う程の巨大な円形のフィールドに姿を変える。
落ちてきた無数の鉄球は俺を覆う円形のフィールドに当たると青白い炎に包まれて、ドロドロと溶けながら最終的には綺麗に姿を消した。
「く…そ…っ!?」
その光景を見てか後退りしながら絶句する佐藤本坂。
「このスギアは、人体には効果がないが、ソレ以外の物に対しては有効だ。効果は、触れたもの全てを炎で包みこみ…そして跡形もなく破壊する。正に防御術式の典型的パターンだろ?」
俺の問いかけに対し、佐藤は口を魚のようにパクパクとさせるだけで返事をしようとしない。
どうやら、もうそれだけのことをする位の意志もないようだ。
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