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「心配する必要あった?余りにも圧倒的だったじゃん。」
心配してくれた桜庭とは違い、そんな事を言ってくる篠川。
誉めてくれてるはずなんだろうけど…何だろう、心なしか全く嬉しくないんだが。
「じゃあ後は篠川だけか。お前、順番いつなわけ?」
俊が首をコキコキ鳴らしながら篠川にそういうと、彼女はキョトンとした顔をして。
「は?何いってんの?私なんかトップバッターとしてかっこ良く勝ってきたじゃない。」
「「…。」」
トップバッター…というと丁度俊の試合と被ってやしないか?
俺達の何だか微妙な反応を見た篠川は目を細めて、怒りの口調で聞いてくる。
「もしかしてアンタら…香の試合は見にきたくせに、私の試合には見にきてないっていうの!?」
「ちょ、待って!?話せばわかる!だから時間をくれ、時間を!!」
怒るる篠川に理由を必死で説明する俺と俊。
そんな彼等を見て赤城はニヤリと笑う。
何も微笑ましい光景だったからという訳で笑った訳ではない。
(今年は期待できそうだな…。楽しくなってきやがった…全国魔能競技大会が。)
彼がこんなことを思って笑っているなど、当初の彼等には知るよしも無かった。
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