第1章:少年

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「え~…っと、じゃあ改めて自己紹介だ…お前らの担任の赤城 秀人だ…っと…そんぐらいか?」と気だるそうに教卓の前で話す我らが担任、赤城さん。 「じゃあ、これから2つ話すことがあるから、よーく聞けよ。」 ゴホン!と咳払いをしたあとに「まずはめんどくさい明日についての話だ。」 「明日は新入生歓迎会だ。えーと…内容は…まあいっか…さて、ではこれからの話だ。」と乱暴に話をかえる赤城さん。恐らく言うことを忘れたのだろう。 「雑な進行だな…。」と俺は、一言つぶやいた。 さっきの入学式のスピーチの時に、しっかりと睡眠をとって、おめめパッチリな俺。 なので、妙に冴えた頭で赤城さんの話を聞いていると 「おい。睡眠大魔王。」と隣の赤い髪の毛(襟足だけはオレンジ色)が特徴的な少年が呼んでいることに気付いた。 「…睡眠大魔王って、もしかして俺のこと?」とムスッとした顔で聞き返す俺。 俺は睡眠界を納める王座に君臨した覚えは無いし、何だかバカにされた感が俺を不機嫌にする。
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