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だれも話さない。
いや、だれも話せない。
時刻はもう21時を指している。
にも関わらず、KAITO兄さん達は帰ってきていない。
「ねぇ・・・KAITO兄さん達、どこいっちゃったの?」
先にくちを開いたのはミクだった。
「しらねぇよ。知ってたらすぐ向いに行くっつーの。」
イライラしながら答えるがくぽに私は言った。
「じゃあ私が千年樹まで行って探してくる!」
席を立ち、靴を履く私をがくぽが止めた。
「危ないだろ。こんな遅くにひとりでなんて。」
「でもっ!でも・・・・」
ミクはあきらめようとしない。
「ん~~~~じゃ・・・・。。んなら俺が行くからミクはここで待ってろ!な?それならいいだろ?」
必死で阻止するがくぽに逆らってまで行く勇気がなかった。
こんな夜にひとりでいくなんて怖い。
「うん・・・・。早く帰ってきてね・・・・?」
するとミクの頭をくしゃくしゃになでてがくぽは夜の森へと消えて行った。
「早く帰って来てくれるといいな・・・・。」
ただ願っていることしかできない自分に怒りと悲しみが込み上げてくる。
「・・・なんて、無力なんだろう。」
一人でぽつりとつぶやいた。
気がつくともう朝だった。
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