一章・いじめ

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   だって例えば物語なら、こういう時は仲間同士一致団結して私を倒しにかかるとばかり思っていたから。  どうしよう。  なんか、モチベーション下がるかも…… 「……っ」  水島が身じろぎする。  ああ、なんだか彼女が哀れに見えてきた。  仲間であったはずの奴らに見捨てられるのって、どんな気分なんだろう?  ああいう類での『仲間』という存在がいなかった私には解らないけれど。  例えば私なら、私を『優しい』と表した彼女に裏切られたような状態なのだろうか?  ……違うな。少なくとも、私と彼女は依存しあってはいなかった。  縋る相手のいなくなった水島は、とても小さく見えた。 「……」  私はその場にホウキを捨てた。  もうこれは必要ない。  戦力も禄になさそうな相手を痛め付ける気はない。  そんなことをしたら、私まで水島たちと同列になる。 「……ハァ」  私はため息をついて、その場を後にした。  ああもう本当に……やってられない。  
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