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ああもう、誰かこのヒトを止めて。
この、天然なのかわざとなのか解りにくい我が姉を止めてあげて。
と言うか、殴っていいかな?
むしろ殴っていいよね?
誰も咎めない気がしてきた(実際、殴ったりしたらかなり怒られるだろうけれど)。
でも。
「それじゃ改めて。
光、婚約おめでとう」
「……殴っていい?」
本気で。マジで。
引きつった笑顔で問い掛けた私に、美咲は刹那きょとん、としてから、鷹揚に頷いた。
「別にいいよ?」
……ここでひとつ補足しておくが、美咲は決してMではない。
「全力で殴り返してもいいならね」
にこり、と。
ベッドに腰掛けた美咲は微笑する。
「冗談です」
私は即座に自分の言葉を取り消した。
美咲の笑顔を見た瞬間、部屋の体感温度が、2℃程下がった気がした……
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