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ぎくりとした。
「……しないよ」
だから反射的に否定してしまっていた。
帰りのバスの中では、確かにそういうコトを美咲に尋ねてみようと思っていたのに。
―――先回りが上手すぎる相手には、逆に何も話せなくなるものだ。
「何もそこまでして見た目を飾ろうとは思わないもの」
「そうかな?例えば髪を上げてみるだけでもだいぶ変わるよ?急激な変化って程じゃないから、誰もいつも以上に深く突っ込んでもこないだろうし」
ね?と、美咲は微笑う。
……何を言ってもやんわり受け流されてしまう寛容さ。
全てを受け入れてしまうような柔軟な心。
たったふたつの年の差なのに、絶対に適わないと嫌でも気付かされてしまう。
そんな、自分の姉。
だから私は美咲が大嫌いで―――大好きだ。
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