三章・オカシナ関係

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       体育館内二周のウォーミングアップを終え、準備運動をする段になった。  いつものように、二人一組で柔軟体操。  私はいつも、他のクラスの―――言い方は悪いが、あぶれた子と組むことが多い。  もちろん、お互いあぶれた者同士なわけだが、まぁ正直、ノルマがこなせればどうだっていいから、大した感慨があるわけでもない。  今日もそうした。  ―――いや。  そうする、はずだった。 「……組まない?」 「…………」  二周が終わり、私にそう声をかけてきたのは―――水島だった。  驚いた。  いつか声をかけられるとは思っていたが、まさか、このタイミングで来るとは。  
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