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「……お好きにドーゾ?」
ちょっと返答に皮肉を込めすぎた気もしたけれど、まぁ……いいわよね。
「どうも」
水島は、微かに笑った。
「どっちが先にする?」
これは私。
なんてことはないと思ってたけど、やっぱりいざとなると緊張する。
「先にしていいよ」
「解った」
床に膝立ちする水島の前に、脚を投げ出して座った。
まずは前屈。
「痛い?」
「平気」
背中を押す水島の手を感じながら、何度か短く言葉を交わす。
……意外だった。
失礼な話だが、てっきり媚へつらうくらいのことはしてくると思っていた。
それが、違った。
水島は私の背を押している間、必要最低限の事務的なことしか言わなかったし、嫌がらせのような行動をすることもなかった。
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