三章・オカシナ関係

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  「集合ーッ」  白髪混じりの体育教師から号令がかかった。  まぁ、なんとタイミングのいいことか!  ……とは言えない。 「どうする?まだ前屈しか終わってないけど」  水島に問い掛けた。  私はこの程度の柔軟でも困らないけれど(授業はいつも手を抜いてるから)、水島はそういうわけにはいかないだろうから。  しかし彼女は、私の危惧などは物ともせずに、首を振った。 「いいよ別に。だるいし」  それもそうだ。  至極もっともな水島の意見に納得して頷くと、私たちは、『傍から見たらまるで友人同士』であるかのように連れ立って、集合場所へ歩を進めた。  さて、今日の授業は何をするのやら。                  
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