1章

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あたしは小学校3年生の秋。 母が参加しているボランティアのキャンプに参加した。 小さい頃から都会育ちのあたしは山とか虫とか大嫌いで本当はとても行きたくなかった。 その時家族で行く様なキャンプ。 コンビニが側にあって テント張って バーベキューして 遊ぶ様なものだと思ってた。 行ってみたら全然違った。 山奥だからコンビニなんてない。 ガスコンロなんかなくて 薪割って火おこして 死ぬ程冷たい水で黒くなった飯盒を洗った。 あたしには信じられない体験だった。 同い年の子なんかいなくて 人数も少なくてもう二度と来たくないって思ってた。 ここの人たちは嫌な事ばっかりあたしにさせて あたしにいじわるしてるんだ。 そんな事ばっかし思ってた。 でも夜寝袋の中で気付いた。 わがままばっかり言ってたあたしに優しくしてくれた。 始めてで何もしらなかったあたしに色々教えてくれようとした。 それなのにあたしは何も感謝せずに恨んでた。 その時本当に恥ずかしかった。 なんでこんな事がわからなかったんだろう? 小学3年生のあたしは思った。 あたしもこんな人になりたい。 いつか絶対に恩返ししたい。 これがあたしの始めてのグリーンスカウトでの体験だった。
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