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剛太は喉に固いものでも詰まったかのように、ごくりと唾を飲み込んだ。
「魅夜はどうしてそんなに詳しいんだ?」
「前に居た人がね、見えるからって色々調べるような人だったの。馬鹿よね。それで喰われちゃ何にもならないでしょうに。」
そう言って川を見つめる横顔を、剛太は寂しそうだと思った。
*
それは背後から消えることなく追ってきていた。
(やっぱり彼女を巻き込むべきじゃ無かった。)
離れてくれない恐ろしい気配に、後悔と死への恐怖が渦巻く。
繋がった手が汗ばんで滑り離れた。
魅夜も荒い息を吐きながら、眉を吊り上げ怒鳴る。
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