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「急いで! もう少し行けば祭られた御岩がある!」
(御岩ってなんだ?)
疑問に思うが、今は余計な事を口にしている暇など無かった。
魅夜の言葉から察するに、そこへ行けば活路が見出だせるのだろう。
(祭られたってことは神社とかみたいに神聖な場所なのかな?)
そこへ行けばきっと助かる、と剛太は魅夜の背を追う。
ざわりざわりと暗くなる森。
(雨でも来るのかな?)
現実逃避するように、余計な疑問が頭を過(よぎ)り、少し上を視線だけ動かして見ると、葉がみっしりと覆い被さり、空が見えない。
剛太には森が深くなっているように感じられた。
かしゃり。
皿が擦れ合うような音を、足の下から聞いた。
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