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積み重なる白く滑らかな骨。
「え……。」
ぎくりと足が僅かにずれた。
かしゃり。
(これは、何の骨だ?)
調ってきていた息がまた上がりだす。
息苦しいほどの胸の圧迫感。
かちかちと耳障りな歯の鳴る音が聞こえる。
辺り一面の白い、白い……。
「ひっ!」
震える体を起こし、自分の目の前にいる少女を視界に入れる。
『気を付けて』
過去に聞いた魅夜の声が頭に木霊する。
さっきまで走っていたことを思わせる汗も無く、ただ涼しげな顔を見せる。
かしゃり。
後退りした足が骨を踏む。
(逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ!)
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