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剛太が明るく見えたと思ったのは、ただの木々の隙間で、また薄暗い森へと突入する。
「……っはあ、はあ! み、魅夜はどうしてここに?」
「走るのに集中して! あそこは地元民しか知らない山菜採りの穴場なの!」
(そういえば、最初に山菜採りかと聞かれたかも。)
振り向きもせず、怒鳴るように言われた言葉に、剛太は馬鹿なことを訊いたと思った。
いつもの川沿いの道を歩いているはずだった。
早朝の散歩。
そう、何度も歩いて馴染みとなった道を歩いていたのだ。
なのにいつもと違うことは突然起こった。
「くるるるるる……。」
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