はじまりのオレンジ

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「何してんの?滝朱河。」 「呉島くん…。」 夜の10時、俺はバイト帰り。 いつもは通らないけど今日は気分で通った道。そこで、滝朱河リリアはわかりやすくナンパされていた。 「あっ、ありがとう。」 滝朱河は何度ありがとうと言ったことか。あいつ、自分がモテるとかかわいいとか自覚してないらしい。 天然?それとも計算? ただ、俺のあげた夏みかんジュースを飲む姿は計算には見えなかった。 入学式に感じた相性の悪さ、ちょっと決めつけすぎたかもな。 駅まで2人並んで歩く。ちょっと振り返ると目があって、あいつははにかみながら笑う。 男子たちが好きになるのも分かる気がする。 なんて考えていたら、駅に着いた。 「また明日ね。」 「あぁ、また明日。」
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