7人が本棚に入れています
本棚に追加
「おかえり、リリア。」
「ただいま、ママ。」
家に入るとママがアップルパイを焼いていた。
「いい匂いだね。」
「でしょう?今日は自信作よ。」
「そうなんだ、楽しみ。」
「そういえば、雨、大丈夫だった?」
「あ、うん。学校で少し止むの待ったから…。」
思い出すのは呉島くんのこと。
「そう、良かったわ。」
「…ねぇ…ママ。」
「どうしたの?」
「恋って…どんな感じなの…?」
ふと口にしていた言葉。
「え…?」
「ごめん、今の言葉忘れて、ママ。」
私は恥ずかしくなってママの言葉を聞く前にそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!