友達のオレンジ

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「おかえり、リリア。」 「ただいま、ママ。」 家に入るとママがアップルパイを焼いていた。 「いい匂いだね。」 「でしょう?今日は自信作よ。」 「そうなんだ、楽しみ。」 「そういえば、雨、大丈夫だった?」 「あ、うん。学校で少し止むの待ったから…。」 思い出すのは呉島くんのこと。 「そう、良かったわ。」 「…ねぇ…ママ。」 「どうしたの?」 「恋って…どんな感じなの…?」 ふと口にしていた言葉。 「え…?」 「ごめん、今の言葉忘れて、ママ。」 私は恥ずかしくなってママの言葉を聞く前にそう言った。
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