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そう言って出てきたのは銀色の髪をした背の高い男。
『よう、<ブレット>の総長さん?俺は<シアンブラッド>の総長。銀狼って呼ばれてる。.........お前も聞いたことあるだろ?』
(銀狼........シルバーウルフか、確か卑怯な真似して族を潰すことで有名な奴だ。その標的が俺達ってわけか.....)
「あぁ、知ってるよ。ズルしてしか勝つことのできない弱小チームだろ?」
俺は少し小バカにした様な、笑いを含めた言い方で罵った。
(さて、こいつらはどう出てくるかな........)
『フフ、ハハハハハハハ!!いやあ、この状況においても動じないとはさすが。..........うん、なかなかいいな。お前.....』
銀狼はこちらに近づき俺の顎を持ち上げた。
「.........触んな、離せ」
『こーーんな綺麗な顔してんのに、吐き出す言葉は汚いな。な、光國?』
「俺の名前を呼ぶな。一体お前は何がしたいんだ....」
俺がそう言うと、銀狼はニタァと怪しい笑みを浮かべ、俺にこう言った。
『俺はなこういう綺麗な顔をした奴の歪む表情が見たいんだよ。今回はかなり大物だよなァ、お前の憎悪の表情が見れるんだぜ?嬉しくて笑いが止まらねぇわ、クククッ ......』
銀狼は顎に添えていた手を頬に持っていきギュッと頬をつかんだ。
痛さに顔が少し引き攣った。
『いい顔だ..........でもお楽しみはこれからだぜ?..............おい、お前らそこのカーテン開けろ。』
その銀狼の言葉にちょうど俺の右側にある黒いカーテンがひかれた。
「っ!?」
(..........ウソだろ..........)
目の前には傷だらけで縛られている凛音たちの姿があった。
見るに堪えない光景に思わず唇を噛んだ。
「っ、凛音!祥也ァ!ろんっっ.............」
俺が大声で名前を呼んでも誰も返事はしてくれない。
俺の目にはいつの間にか涙が溜まり、血が浮き出るほどに唇を強く噛んでいた
『そう、それだよ.......俺の見たかった表情〈カオ〉は!!』
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