296人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
後ろに立っていた凛音に視線を向けた、
そこには浮かない顔をした凛音が立っていた。
『5軍が、傷だらけで帰ってきた..........』
「は!?」
『ブレット』はチーム分けがされている。
幹部、1軍、2軍........と順々に新人になっていき、5軍まである。
5軍は新人ばっか、4軍は頭脳チームって感じかな。
抗争には出ないけど、調べものをやったり、ろんの手伝いをしたり.......。
5軍で喧嘩が強いやつは基本3軍に上がってくるんだ。
喧嘩が弱いやつは4軍に行くか、そのまま5軍にいるか.......ってとこ。
だからチームの抗争なんて、俺や凛音はなかなか出ないんだ。
祥矢の場合、抗争となれば必ず出ていくけどな。
凛音の報告を聞き、怪我の手当をしているという5軍の元へと向かった。
「どうしたっ!?..........何があった?」
俺の目の前には、傷だらけで手当てを受けているチームメイトたち。
有り様は酷くて、なかには鼻の骨が折れていたり、足にギプスをつけていたりと
とても見ていられなかった。
『総長........すいません。俺たちが不甲斐ないばっかりに、チームの名前を汚しました。』
「そんなこと、今はどうでもいい。............何も考えずに、とりあえず怪我を治せ。それまでは総会もでなくていい。」
一瞬の沈黙が訪れた。
俺は、こいつらを気遣って言った言葉だったんだけど........
でもこいつらにとっては、
「もうここに来なくていい」
と聞こえたらしく.......
どばぁぁぁぁぁぁぁっと、俺に寄る人波。
(え、なに、どうしたのこいつら!!)
『総長っっ』
『俺たちを見捨てないでくださいっ!つぎは絶対に失敗しませんからああああ』
『ぐすっ、うわあああああああん』
「え、ちょっと何言ってんのお前ら.........怖いんだけど......てか重っ!」
あまりの人波と勢いに押され俺は床に押し倒されていた。
それを囲むいかつい10人ほどの男たち...........
最初のコメントを投稿しよう!