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『ブレット』の溜まり場となっている廃工場の外に出て周りを見渡すが、特にこれといって変化はない。
だって、凛音の車もあるし
みんなのバイクも置いたまま。
俺が成すすべなくそこに立ち竦んでいると、俺に走り寄ってくる影がひとつ。
(...........あれは、確か3軍の...........)
そいつは俺の前まで来て、息を切らしながらすごい剣幕で俺に捲し立てた。
『総長!!!凛音さんたちが!!!』
「え?」
『こっちです!とりあえず来てください!!』
状況も理解できないまま、そいつは俺の腕を掴み、半ば無理矢理走り出した。
まだ何が起こっているのか分かっていないのに、何故か俺の心は罪悪感でいっぱいだった。
多分それは、悪いことが起こっているのが分かったから
(こんなときに呑気に寝てたなんて..........!)
連れてこられたのは廃工場から少し距離のある橋の下。
『あそこにーーーー』
そいつが指を指している方を見るものの、凛音たちどころか人影すら見当たらなかった。
「なんもなっ.........っ!?」
目に入ったのはそいつが手を振り上げている瞬間
がんっっ
「ぐっ.......」
『............なーーーんて、な』
気付いたときには、時すでに遅し
俺の首にはそいつの手刀が振り落とされていた。
それに気付けなかった俺は諸に手刀を喰らい、意識を落とした。
それは間違いなく裏切りってやつで
俺に手刀を下ろした奴の顔はキモチワルイぐらい笑顔だった。
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