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「フフフッ…。」
笑い声が聞こえる―――――。
「クックック……。」
今までとは何かが違う―――。
「余裕ぶっこいてられんのも今のうちだけだ…。」
さっきから辺りにはオレの笑い声しか響いていない。端から見れば余裕ぶっこいてんのはオレの方…。
だがオレはいいのだ。こういうときは余裕がないとダメだ。今までと同じだ。そう,今までと同じ…ハズだ……。
とにかくオレは『余裕』だ。むしろ今までと同様快楽の気分だ。
―――――――調子狂う。
今までの奴らは皆余裕で楽しそうなオレとは反対に,余裕なんてない,だが焦りもない,あるのはまさに『絶望』のみって感じの表情(カオ)だった。だが,目の前にいる女どもが浮かべている表情は『笑み』,正確に言えば薄ら笑いだった。
―――――――何でそんな『余裕』そうな表情(カオ)浮かべてやがんだよ…ッ!!!!
フザケんな… これじゃまるで今のオレの余裕がただの強がりみてーじゃねぇかよ……!!!! この状況で余裕でいていいのは今までみたいにオレ様だけなんだよッ……!!!!!
………ヘッ,まぁいい…,今すぐにぶっ殺してやる……!!!!!
オレは自分が愛用しているステンレス製のサバイバルナイフを懐から取り出そうとした。
刹那,3人の女のうちの一人―――腰まで伸びている長い黒髪を生やしており,慎重も3人のなかでは一番高くて,いかにも自分がリーダーと言った雰囲気を醸し出している―――もなにかを取り出した。女が手にしたものはバタフライナイフ,オレがそれを認識した時には既に女はナイフを放っていた。回転しながら予想以上の速さでこちらへ向かってくるナイフ。
オレは避けた。文字通り「紙一重」で避けた。紙一重よりも「危機一髪」の方があってるかもしれない,それももの凄く髪質の悪い。つまり何が言いたいかと言うと,オレは本当にギリギリでナイフを躱したのだ。自分の頬とナイフの間は,電子顕微鏡とかでないと確認できないくらい僅かな間隔だったと思う。
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