曖昧なプロポーズ

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若い女の子を庇う陽太に千香は苛立った。 「陽太も大変ね。そういう子も教育しなきゃならないなんて」 「大変だけど楽しいよ。その子も一生懸命やってくれてるし」 「ふーん」 もうこの話はやめたくて、千香は愛想のない声を出した。 不機嫌な気持ちをぶつけるように、ステーキに勢い良くナイフを入れる。 千香のストレスの捌け口となったステーキは、グサグサと切られていく。 しかし陽太は無邪気な声で、新人の子を褒め続けた。 「若いってイイね。溌剌としてて、見てるだけで元気になるよ」
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