プロローグ ~親友の彼~

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若い男の一人暮らしを絵に描いたような、殺風景な部屋。 家具は黒で統一された安物のカラーボックス。 狭いワンルームの半分以上をパイプベッドが占領している。 そのベッドを軋ませ、重なり合っている男と女。 綺麗に焼けた小麦色の肌と荒々しい動きは、若さの象徴のようだ。 女の顔が歓びで歪み、指は白いシーツを掴もうとする。 男がその指を捕らえ、しっかりと女の手を握った。 女の指はシーツではなく、一本一本、男の指に絡まっていく。
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