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ヴァンパイア様はまだ何も答えてはくださらない。
この沈黙がこわい。
ヴァンパイア様の天敵である神に祈ってしまいそうになるほど。
「……俺、白いワンピースが似合う子が好き」
……え?
「ヴァンパイア様、それって?」
「迷惑かけないっていうなら、客は選ばない。好きにすれば。
じゃあ、そろそろ仕事戻るから。
またな、オカルト」
そう言ってヴァンパイア様は玄関に向かい、私の部屋から出て行ってしまった。
…………
またな、だって。
あんた、じゃなく、オカルト、って。
白いワンピースが好きなんだぁ……。
「えへへ」
やばい、頬が緩む。
ヴァンパイア様、私、白いワンピースの似合う女の子になってみせますね。
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