罪の雨

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「………まだ、居るんですって。」 「??」 女はクスリと不気味に笑った。 「〝鬼〟がまだ居るんですって。」 ────────ドクンッ 「さっ、準備出来たアルヨ!!」 「じゃあ出発しましょうか。」 二人は旅行気分なのかウキウキしていた。 「えぇ。」 俺が大嫌いなあの村へと出発した。 「はるかのマミーってどんな感じアルカ?」 暫く歩くと、神楽は磯村に聞いた。 「母は優しくて、笑顔が綺麗なんです。 父は昔殺されたんですけどね、母はそれでも泣かないで笑うんです。」 「え…、強盗とかに殺されたんですか?」 磯村はフルフルと頭を横に振る。 三人の後ろを歩く俺は冷や汗が流れるのを必死に耐えていた。 まさか…。 「五歳に満たない子供に殺されたんです。」 「─────っ!!」 やっぱり、俺が殺ったんだ絶対。 顔も何も覚えてないが、俺が殺った。 「私の村には鬼狩りと呼ばれるものが昔あったんです。 鬼は五歳に満たない小さく、奇妙な容姿だったんですよ。 村から迫害された鬼を退治しに、色んな侍が山に逃げた鬼を殺そうとしに行ったんです。 ………勿論、父も。 鬼の剣術は強く、生きて帰って来た人は一人も居なかったんです。」 ガタガタと手が、足が震える。
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