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「ちょっと休憩しましょうか…。」
随分と歩き、休憩をとる事になった。
もう少しで着く…。
「木ばっかりアルナ…。」
「そうだね…。」
ここは林であり、俺がさ迷っていた所でもある。
この林を抜ければ村だ。
俺は遠く先を見つめ、溜め息を付いた。
「磯村さんの村って、どんな感じなんですか?」
磯村はクスリと笑みを溢した。
「人口も少ないですから、みんな仲が良いんですよ…とっても。」
磯村はチラリと俺を見て、怪しい笑みを浮かべた。
────────ゾッ
「…………気ィ、抜けねぇな。」
ボソリと呟き、腰にある木刀を触る。
「よし、早く行くアルヨ!!」
スクッと立ち上がり、林を進んで行く神楽。
「ま、待ってよ神楽ちゃん!!」
「あら…、元気ねぇ…。」
それを慌てて追いかける新八と、磯村。
俺の足は地面に貼り付いた様に動かない。
ようやく踏み出した一歩も、鉛の様に重く感じた。
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