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率直に言って、この日、少年はどうかしていたのだと思う。
季節の節目とか、そんな日の出来事だっただろうか。
気温は暑くもなく寒くもなく、寧ろ涼しくて時々温かいというわけのわからない日々が一ヶ月半を過ぎた頃だった。
携帯電話がよりコンパクトになって普及し、街の人々の中にもちらほら、携帯電話を使用しているところを見かけるようになった。
サラリーマンからカップルまで、まるで携帯電話を持っていることが当たり前のようになっている。
携帯電話だけでなく、随分前からあるインターネットも、普及というよりは進歩を続け、今ではそこいらにある「インターネットカフェ」や、携帯電話に付属しているインターネット機能で自由にインターネットを使い、世界中とだって繋がることができる時代なのだ。
しかし如何に優れた機能が備わっていても、世界中とコミュニケーションがとれるといっても、扱うのは所詮人間なのだ。
機械だろうと何だろうと、扱う人間次第で価値が変わる。そして意味のある価値を持つ物こそが、最も時代に浸透していくものだ。
携帯電話やインターネットの他に例を挙げるとすれば、夜になっても昼のごとき明るさを維持する街灯やネオン。
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