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◆
僕は死ぬことを決心した。僕はいじめられていた。周りは見て見ぬふりをして、誰も僕を助けてくれなかった。
母は僕のことを心配していたが、父の言葉により母は黙りこんだ。
父は厳しくも無関心であった。自分のことは自分で解決しろと放りながらも僕に対する一つ一つの言葉は厳しかった。
こんな生活はもう嫌だ。僕は生きていく意味を見失った。
だから僕は死ぬことを決めた。台所から包丁を取り出し、浴室まで行った。そして、水が張った浴槽に手を浸け、包丁を手首に当て、ためらいもなく引いた。痛みが走り、手首から血が流れ出た。
浴槽の中が赤い色に染まっていくのを、朦朧とした意識で見ていると、背後から母の声が聞こえたような気がした。
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